Google ACM Top 40 Event
午前中はGoogleの年中行事やテクノロジーの話。
その中から一つエピソードを選ぶなら:
これはFroogle(ネット上のあらゆる商品を検索できる機能)を開発していたときの話。
検索結果はまだまだ十分ユーザーのニーズにあっているとは言えず、「運動靴」を検索すると、「運動靴をはいた小人の置物 $9.99」(明らかにこれは、普通「運動靴」を買おうとするユーザーがいちばん欲しいものではない)の項目が先頭に来てしまうという問題が代表として取り上げられた。そこで技術者たちはそれぞれ担当箇所を決めて解散した。
一週間後、だれも自分のパートに十分な改良を加えられないでいたが、それでも全員の結果を合わせてテストしてみると、小人の置物は検索結果から消えていた。担当者たちは、全員の協力が部分の総和以上の結果をもたらしたのだと喜んだ。
だがしかし。
後日、メンバーの一人が件の「運動靴をはいた小人の置物 $9.99」を買い占めて売り切れにしていたことが発覚した!
これが現在、Googleplexのいたるところで小人の置物を見かける理由である。
昼御飯はGoogleの庭でバイキング。Google敷地の隣(地図)には荒地の丘があり、登るとサンフランシスコ湾や周囲の山が一望できる。
午後からも技術話を聞く、しかし "Map Reduce" "Google File System" の二語で要約できるような『ここで寝る』という立て札が立っていそうな話だったりする。
そして黒半袖シャツに半ズボンという格好で、Googleの2人の創設者の一人、Larry Pageが降臨。質疑に応答する。
なんてくだけた質問なんだ。およそ大会社の社長相手のそれとして期待されるような態度ではない。まああまり詳しい質問されても企業秘密だから困るけど。
さらに2グループに分かれ、Googlerになった元大学生たちの話か/Googlerになった元教授たちの話かを選ぶのだが、例の物理学科のインターンさんに大学生の話は聞いたようなものだから、教授たちの方の話を聞く。
- ビジネスの世界と、学問の世界のちがいは物事が変化する速度だと思う。
- だから学術界は少々政治的になりやすい。隣の人のオフィスのほうが大きいとかでケンカが起こったりもするし、同じ大学の他人が何をしていようとあまり関心がない。仲良くしようとは思わない。
- 学術界には後進を教育するという楽しみがあるが、Googleにはディスカッションという楽しみがある。
- Googlerになる、というのはライフスタイル・セレクション。毎日プログラミングコンテストをやっているようなもので、それで生きていけるんだから楽しいもんだ。
- ただしGoogleが楽しいのは、Googleが上り調子だからだろうね。僕はGoogleに来る前はSunにいたけど、昔のSunはある程度Googleみたいだった。でも業績が悪くなったある日、突然食堂を有料にする、社員も新規採用しない、って言い出したんだ。それでGoogleに来たのさ。もっともGoogleの楽しい雰囲気は、Googleが上り調子でいられる原因の一つだろうがね。
そして夕食はカリビアン・レストラン。お前らなんでもカレー粉をぶち込めばいいと思ってるだろ。